2013年5月23日木曜日

ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く

自分はJAZZ DOMMUNEのファンだ。大谷能生さんを知ったのは、『憂鬱と官能を教えた学校TV』(フジテレビNEXT)でだが、そこでの存在感の無さは、あの番組自体がまるでペン大の授業のようだから(つまり菊地さんの授業だから)だと思う。加えて菊地さんから放たれている態度のデカさ。実際、目に見えて態度がデカいわけではないのが、そう感じさせる何か雰囲気があるのだろうか。よく分からない。

一方、JAZZ DOMMUNEは、DOMMUNEで不定期に開催される、なんだろう? 音と絵をごちゃまぜにしたお遊びとでもいえばいいのだろうか。全体がいいわけではなく、その中に時折偶発的に見え隠れする価値が面白い。ある意味、生物史と自己相似形ではないだろうか。

その中での大谷さんは、実に、その価値を支えるキーパーソンとなっており、むしろ菊地さんが一歩引いて、大谷さんに舵を取らせている感がある。もしくは菊地さんがターンテーブルで、大谷さんがその上で回る寿司、と言った方が良いだろうか。

何れにしても、毎回そんなものがあったのか!というネタのオンパレードだが(ただし絶対数はそれほど多くない)、とにかく面白いというより貴重な体験が出来るというところに自分は価値を置いている。

そんな大谷さんの音楽面での活動は数回しか見ていないが、サックスの独特な音がなかなか魅力的。とはいえ、正直に言えば、それ(サックスの音を除いた曲自体とかパフォーマンス自体とか)は自分にとっては(すくなくとも今のところ)あまり重要ではない。

で今回、『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』がこの5/21に発売され、その発売記念イベントで、この本を台紙にして何かやることによって、実際本に何か書き込まれ、ユニークになるというイベントがあるということと、氏の本も全く読んだことが無かったので、これを機会に買ってみた。

だが突然の高熱を発してしまい、イベントに行けるかどうか、微妙だ。この前美学校に見学に行ったときも、その後軽い打ち上げ的な場がその教室であったのだが、大谷さんは別件で先に帰ってしまい、具体的に「メディアクリティークラボ」について、伺うことが出来なかった。

その初回の授業が今日5/23にあるのだが、せっかく見学できるというのに、これも発熱の影響で断念せざるを得なそうだ。

どうも嫌われてるらしい。



坂本龍一編:
で、この本、当然、菊地さんによるとダダだという大谷さんの書を、頭から順に読む気などさらさらない。パラパラっとめくって目次にもどり、仕様書なるあとがきを読んで、もう一度目次に目をやると、”坂本龍一"という文字が目を引いた。

とにかく、自分は坂本龍一さんの音楽があまり好きではない。目を引いたのはだからだが、言葉で説明するのは難しい。まず最初にKILYNですら自分の中には入ってこなかった時点で何かあるのだろう。

で21ぐらいのときだったと思う。当時知り合った友人が坂本龍一さんの信者だというので、推奨アルバムを聞いてみたのだが、これがまた酷かった。タイトルも忘れてしまったが。でその次に聞いたのが「戦場のメリークリスマス」のあの曲だ。これも何とも言えない違和感があった。でその次がCMで一躍有名になった癒し系のピアノの曲。これもドラマの挿入歌っぽくてなんだかなあと。

そんな偏見を持った自分が、坂本龍一さんを濃密に理解されている大谷さんが解説したパートを読んだところで、ここには書けないような非難囂々しか出てこない。

恐らく、こんな風に音楽を自分に語った所でしょうがないのだ。音楽は音楽。観たり聴いたり演奏したりするもので、プロがその裏でどんなに凄い技を駆使しているか、などというのは、それ自体に興味がなければ(直接的には)相対的な価値は出てこない。

例えば面白いアプリがどうやって作られているか、とか、そこにどんな凄い気づきや発見的要素があるか、なんてことはどうでもいい。面白いか面白くないか、必要か必要でないか。まあそういったところだ。

とはいえ、『千のナイフ』はあればレンタルして聴く必要があるだろうなあ。それで考えが大きく変わる可能性もなきにしもあらず。

なんせプリンスでさえ、けなしたり絶賛したりだから。







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